3 大江山内宮のシロヤマシダ

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No.40 葉身下部

No.41 葉身下部 No.40とは別標本。

No.42 羽片と中軸を拡大。中軸にうす茶色のリンペンが確認できる。

左No.43、右No.44、2枚とも軸下部。No.40の標本。

 1977年5月24日 植物採集をやりはじめた時でなんでもかんでも採集していた頃だった。植物の名前に詳しい人に案内してもらって現地に行った。採集したときの記憶ははっきり残っているが、標本には「大江山内宮」と書かれている。地図を見ると旧加佐郡大江町に内宮という地名がありそこに神社のマークがあるのでそこだと思う。神社林だった記憶がある。発見したとき珍しいシダとして教えられた。この時がシロヤマシダ(タンゴワラビ?)の初めての出会いである。案内してくれた人はシロヤマシダがあるのを知っていたみたいだった。5月で新芽が展開し始めたところで葉が開ききっていない。 前年の葉は枯れてなかった。不完全な標本でシロヤマシダの標本としては今回外そうと思っていたが、よく調べてみると、写真(43,44)に見るようにリンペンがシロヤマシダにしては黒くて細すぎると思う。シロヤマシダのリンペンはこげ茶で広披針形で軸にべたっと張り付く。この標本のリンペンには 顕微鏡で見るとはっきり突起が認められる。ただ、コクモウクジャクのリンペンはこれくらいの拡大で確認できたと思う。軸上には少しだが披針形のリンペンが確認でき、色は茶色で下部が広くなっている。ところどころ突起があるが、コクモウクジャクほどではない。下部羽片の柄の長さは25mm、35mm、50mm、70mm。小脈はほとんど2叉している。 なお、標本は3枚あるがこの黒いリンペンが付いていたのは1枚だけで、あとの2枚は付いていなかった。

タンゴワラビと判明(2010年6月13日)