ギフベニシダ?、エンシュウベニシダ?、シビイタチシダ?

ギフベニシダ

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撮影 2010年5月9日 大株

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撮影 2010年6月13日 大株

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撮影 2010年6月25日 大株 葉上部

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撮影 2010年6月25日 小株。上の大株から50mほど離れた場所にも自生。

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採集日 2010年6月25日 大株

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採集日 2010年6月25日 大株

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採集日 2010年6月25日 大株

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採集日 2010年8月7日 大株

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採集日 2010年6月25日 小株

4285
上の写真を拡大したもの。羽軸のリンペンの様子を見るために拡大してみた。

今年(2010年)5月7日京都市内上京区を散歩中とある社寺をのぞいてみたらこのシダが生えていた。ギフベニシダではないかと思った。ギフは結構各地で確認されていて珍しいものではないが私は初めてだった。採集して図鑑でギフベニシダの記事と照合してみた。どうも合わない。検索表に「葉柄のリンペンの辺縁は不斉(ギザギザがある)」とある。この中にギフベニシダとサイゴクベニシダの2種類が分けられている。今回採集した標本を顕微鏡で仔細に見てみたがリンペンの縁は全縁だった。それから、ベニシダの仲間の特徴である「小さな袋状のリンペン」だが、確認できない。最後の写真4285の写真は羽軸の袋状のリンペンを見てもらおうと思って拡大した。今のカメラ(イオス キッス デジタル X2+ 50mmマクロレンズ、1/2まで拡大できる。)で限界まで延ばしてみた。これ以上は他の機材が必要だ。このシダ、羽軸には三角状の小さいリンペンがたくさんついている。リンペンの下部は急に広がっているが袋状にはなっていない。ベニシダの袋状のリンペンは風船みたいで先端急に細くなるのですぐ判る。
 それで図鑑をみてみたらシビイタチシダという種類のシダがありこれに近いと思った。シビイタチシダは九州紫尾山麓に一箇所自生が確認されていたが、現在では消滅しているとのこと。小石川植物園にクローン株が保存されていると聞いた。そんな珍品が京都の街中に自生?とは考えにくい。ただ、今回採集したのはベニシダタイプで最下羽片下向き第一小羽片は隣のより少し小さい。シビイタチシダは名前のとおりこれが長くなる。この点は合わない。

 それで標本を地元のシダ専門家送って見てもらった。結果はギフベニシダだった。どうも釈然としない。それでセカンドオピニョンということで日本シダの会にも標本を送付した。何人かのシダの専門家に見てもらったらしい。それで結論はエンシュウベニシダという回答をいただいた。意外な回答に正直混乱している。エンシュウベニシダはHPに載せている通り自分なりに理解しているつもりだったが。
 ともかくこのシダは現在も検討中ということだ。(2010年8月8日作成)
8月19日にシダの会から最終的な結論はギフベニシダという回答があった。こちらが送付した高知のエンシュウベニシダもまちがいないとのことだった。以下に拡大した写真を追加する(2010年9月1日写真2点と記事追加)。

15-49-18-533
中軸と羽片とが交差するあたりを拡大。(デジタル顕微鏡による)2010年8月7日採集品(新葉)


11-40-57-815、11-40-35-430
リンペンを拡大(デジタル顕微鏡によるーブログ参照)
何度も繰り返すが、図鑑では袋状のリンペンがあることになっている。また、リンペンは不斉(ギザギザがある)となっているが、この2枚の写真からは観察できない。
ギフベニシダでいいと思う。