屋久島原生自然環境保護林

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 屋久島には3度行った。1973年11月、1976年11月、1999年5月。この写真は1999年の時のものである。1973年は植物採集で1週間の滞在のうち栗生から栗生歩道を登り標高1000Mの大洞杉で2泊キャンプした。
 1976年のときは、純然たる山行で淀川小屋ー黒味岳ー宮之浦岳ー永田岳ー花山歩道ー大川林道のコースで山中2泊の小屋どまりだった。このとき、宮之浦からの下山コースは縄文杉を見る小杉谷に降りるコースはつまらんから止めておけ と、友人から忠告されて花山のコースで下山した。花山歩道で見た壮大な森林の風景が忘れられず、いつか、も一度来たいと思っていた。36枚撮りフイルム3本持っていったが、ちょうどこの花山の森林 に入る手前でフイルムがなくなり悔しい思いをした。

 1999年春、いつも一緒に山登りをしているおっちゃんが定年退職をしたので、いっしょに屋久島へ行くことになった。それでこの花山の森林を見に行く計画をたてた。山中泊はきついので、何とか日帰りをと思い8時に歩き始めて現地2時くらいだった。写真を撮るのが目的だったが時間は足らなかった。もっと朝早く(5時くらい)ならもう少しゆっくり出来たと思う。

 ここ花山の地域は花山原生自然環境保全林になっており、いわゆる第一種特別保護地区で落ち葉一枚も取ってはいけないことになっている。1976年にこのコースを下ったとき、時々道が不鮮明になり迷うことがあった。登山ルートとしては歩きやすいコースではなく、迷ったらまず助からないだろう。谷へ降りても沢筋は下れない。

 長年、35mmの一眼レフで山の写真を撮ってきた。ぶな林などの森林の写真は写真に撮ると現地で受けた印象が写真に納まらない。人間の目の視野と同じ広角レンズ(28ミリなど)で写すと、全くスケール感のないつまらない写真になる。いろいろ試行してたどりついたのは、人間の目の焦点距離で撮るのがいい、という結論だった。その焦点距離はだいたい60mmだ。それで50mmの標準レンズが明るいというメリットもあるので、50mmF1.4のレンズで撮影している。50mmのレンズは人間の視野に比べると相当狭いのでいかにして見えている風景を切り取るかという技術が要求される。
 

 この花山の写真は、コンタックスSTにプラナー50mmF1.4をメインに、タムロンSP90mm(マクロレンズ)を持っていった。記憶がはっきりしないがゾナーの85mmF2.8 ももって行ったような気がする。三脚は使っていない。フイルムはフジのASA800のネガを使った。そのため色が少々悪い。