戻る
芦生原生林フォトアルバム
コメント
京都の山や(登山者)は、演習林といえば京都大学農学部付属芦生演習林のことを指していた。今は林業不振で大学の農学部に付属していた「演習林」はなくなっている。芦生演習林は京都府若狭湾にそそいでいる由良川源流いきに位置する。京都府旧美山町で、京都市左京区、滋賀県、福井県に接する。
大学の研究施設だったこともあり、広大なブナ林が残った。隣接する滋賀県側、福井県側、にもブナ林が少し残っている。
この地に初めて登山で入ったのは1966,7年ころだ。長治谷作業所小屋(今はない)は林道が通っているが、当時はなかった。また、滋賀県朽木村生杉からのルート、地蔵峠も林道は通じていなかった。
地蔵峠まで林道が通じるようになってから、源流部に入りやすくなり、ブナ林の景観に惹かれて頻繁に行くようになった。ハイキングと写真撮影が目的だった。写真は三脚を立てて本格的撮るというものではなく、一眼レフカメラ手持ちで撮影するというもの。レンズはほとんど標準の50mmレンズ。当時はモノクロで自分で現像していた。そのモノクロのネガは処分してしまい無い。
80年くらいから、カラーフイルムを使うようになり、カラー写真は残っている。スライド、ネガ(プリント)がかなりある。
1990年代後半あたりから、ブナ林の林床植物、ヤブが少なくなってきた。北山は、藪こぎ(ジャンジャン)するのがあたりまえだった。2000年前後から、ほとんどヤブが無くなってしまい、これはおかしい、と感じるようになり、鹿が増えて、ヤブを食い荒らしていることを知った。
今は公園のような状態になっている。ヤブが無いと歩きやすいが、見方を変えると、登山道を歩かなくてもいいので、登山道がわかりにくくなり、「道」に頼って歩いている登山者にとっては迷う原因になる。2万5千分の1の地形図と、コンパスを持って歩いている人はほとんど見かけない。せいぜい標高900mそこそこの山で大したこと無い、と高をくくっているととんでもないことになる。
現在の芦生研究林は入林が厳しく規制されて、昔のように気軽に入れないようになった。遭難事故が多いらしい。
芦生原生林の写真集も幾つか発売されている。見てみたが、林の印象の受け方(感性)が違うのか、写真に不満が残る。森全体の雰囲気が伝わってこない。特に、キノコや苔、水の流れなどの森の一部を切り取った写真は、どこでも撮れる写真だ。この感想は屋久島の写真集にも言える。
それはともかく、かってのヤブの繁った原生林の写真をHPに載せて見てもらおうと考え、ページを作成した。写真は、ぼくの感性で撮影したものだ。(2011年1月28日)。
2000年以降、デジタルカメラで撮影した写真もあるので、順次、ページを作ってUPする。(2015年8月8日)
デジタルカメラで撮影した写真をUPした。全部で402枚。デジタルカメラの性能が発展途上の時だったので、あとの写真ほど画質が良くなっているのがよくわかる。(2016年11月27日)
参考図書 芦生原生林に関する資料。
京都北山と丹波高原 森本次男著 昭和19年4月 朋文堂 222p.18cm。
京都北山と丹波高原 森本次男著 昭和39年6月 山と渓谷 143p. 18cm。 上記朋文堂のものとは別で、新たに書き下ろしたもの。
京都の秘境・芦生 −原生林への招待 渡辺弘之 昭和45年10月 ナカニシヤ書店 198p. 19cm。
由良川源流 芦生原生林生物誌 渡辺弘之 2008年3月 ナカニシヤ出版 169p.21cm。
関西の秘境 芦生の森から 芦生の自然を守り生かす会編 かもがわ出版 1996年11月 126p. 21cm。
他に、ハイキングガイドの類、写真集などがある。
ページ作成 2015年8月8日。